将来自宅の新築をお考えの方、計画中の方へ、
自分自身が自宅を新築した経験や お客様の建築に長年携わらせていただいた経験を元に、建築の観点、電気設備の観点、さらに将来の拡張性の観点から お話させていただきます。　

一生に一度のお買い物に、微力ながら参考になれば幸いです。

　近年は消費税増税（2014年現在）の拍車もあり、住宅の建築に関するテレビ番組やCM、雑誌がもとても多くなってきました。 住宅展示場には大小さまざまな住宅が並び、デザインもすばらしいものが多くそれぞれの商品（家）の特徴をアピールしていて とても一日では回れないほどです。　自分も見学時にうっかり名前を書いてしまって後日の電話や資料送付の嵐に驚きました。 新築から3年たった今でも送られてきます^^;

　さて、一生に何回も出来ない大きな買い物です。金額にしても精神的にも・・。　これから先30年あまりローンを払い続けていく ことになるわけですから、『なんとなく建ってしまった』・・ではなく『納得して夢のマイホームを建てた！』　という思いが 一番大事です。

じゃあどうしたら納得して家を建てることができるのか。


要望は沢山あると思います。
住宅展示場のモデルハウスの様なかっこいい家が・・とかホームシアターで映画を満喫したい！！
太陽光発電や蓄電池を組み合わせて光熱費０住宅にしたい！　庭でバーベキューしたい！　愛車を眺めながら寝たい！ テレビで有名な建築士に設計してもらいたい！

それぞれの夢はあると思います。

　まず、出来るだけ思いつくだけの要望を箇条書きにします。
これは要望が通る通らないにかかわらず、家造りに対する自分の 考えを吐き出して形にするという作業です。　さらに、将来子供は何人になるのか、長男が○才になると次男は・・とか、 家を建ててから5年、10年、20年、30年後の先の生活環境を考えます。
悲しいですが、永遠には若くありません（笑
建築する家に対して自分が年を取った頃の事まで今すぐ対応している必要はありませんが、頭の隅に入れておかないといけません。

そして、一番大事な事です。
それを建築士さんに自分の要望、建物を建てる土地に対してどういう建物を建てるかを図面に起こしてもらう事です。 （建物契約の前の一番はじめにです）

なぜこれが最初なのか。
これは価格も建物のグレードも比較する為のものがないからです。

例えば、建築業者AとBがあったとします。　
それぞれのモデルハウスは2000万と2300万。デザインも違います。
値段だけで比較すれば300万円安いほうがいいですよね。　
しかし本当は2500万円の価値のあるものを頑張って2300万なのか 1800万で立つ建物なのに2000万なのかわからないですよね？　家電や自動車でもそうですよね？　ある型番と仕様が一定なので どの店が安いのかを探して、購入するわけです。

モデルハウスはあくまでモデルのハウスです。最新のデザインや様式は素晴らしい物はあります。
しかし必ずしもそれは自分の要望にカスタマイズしたものでも無ければ、土地の向き、大きさに対して検討してからの設計ではないという事です。　自分の生活様式、土地に対して、モデルハウスの間取りを当てはめただけに過ぎません。

建築士さんに設計･管理を依頼するという事は、用心棒を雇うことに似ています。

建主の要望を組んだ完成された設計図を元に、色々な建築業者に相見積もりを取ります。その後、出てきた見積りに対して 相場より高いのか安いのか、価格、品質、工程を管理してもらいます。　
建築士さんの設計料も掛かりますが、これはどこの建築会社で建てたところで掛かるものですし、建築会社に対するプロの目からの値引き交渉の窓口になります。　

この建築士が建設会社の人間だと自社に対して厳しい値引き交渉なんてできませんよね？

ここが重要です。

ここまで来てやっと各建築会社の見積りの価格差は信頼のおけるものになります。

　同じ仕様書に対してのものですからね。
ですから、まだ仕様がはっきり決まってないのにもかかわらず、100万値引きします、200万値引きしますというのは信頼のおけるものではありません。　それが単に仕様（グレード）を落としたに過ぎない物かもしれないですからね。

家電や、車だってある一定の型番･型式があり、「同じもの」に対して出来るだけ安くほしいという事になりますよね。 これと全く同じことになります。


次項につづく